ユヌスセンターとは
ユヌス教授とグラミン銀行がノーベル平和賞を共同受賞した2006年10月よりユヌス教授の活動に対する国内外の関心は増し続けています。この高まり続ける注目に対して、ソーシャルビジネスに焦点を当てたユヌス教授の哲学を普及・促進することを主な目的としてユヌス事務局(Yunus Secretariat)を開設しました。その後、2008年7月にユヌス事務局は、ユヌスセンター(Yunus Centre)へと名称を変更しました。ユヌスセンターは、バングラデシュのみならずグローバルに活動する全てのグラミンソーシャルビジネスに関連する活動のワンストップリソースセンターとなっており、様々なイベント、ソーシャルメディア、出版物、ウェブサイトを通じてグローバルソーシャルビジネスを促進しています。また、ユヌスセンターは世界中のソーシャルビジネス機関が永続的で生産的な関係を築いていけるようサポートしています。当センターは、ノーベル平和賞受賞者ムハマド・ユヌス教授が局長を務め、ラミヤ・モシェド女史がエグゼクティブディレクターを務めています。
グラミンソーシャルビジネスとは何か?
ユヌス教授は、現資本主義体制では対処しきれない未解決の問題を解決することができるであろうグラミンソーシャルビジネスの創設を促進し続けてきました。簡単に説明すると、グラミンソーシャルビジネスとは社会的目標の達成のために一身に貢献する無損失で無配当の会社です。ソーシャルビジネスでは、投資家は投資額を受け取ることはあっても、投資額の総額を越える配当は受け取りません。グラミン銀行は貧しい人々が株主となるというソーシャルビジネスにおける最良の手本です。ユヌスセンターの最終目標は、村、街や国など全ての場所で貧困に終止符をもたらした後、貧困に関する博物館を創ることです。当センターは、ソーシャルビジネスが創出、促進、維持されるためにワークショップ、インターンシップ、事業などを通してコンセプトを広め、個人や組織をサポートすることに専心しています。
ユヌスセンターはどんなことをしているのか?
ユヌスセンターの活動は、以下に挙げるようなものですが、それに限りません。
"貧困のない世界"キャンペーン
ユヌス教授は、貧困は社会によって不必要に人々に課せられたもので、貧困のない世界は意思次第で生み出せる、と長年主張しています。ユヌスセンターは、貧困のない世界を作るキャンペーンを世界中のパートナーやネットワークと協同してコーディネートしています。また、ユヌスセンターは、バングラデシュと世界中に国連ミレニアム開発目標と2030年までにバングラデシュが貧困から解放されるためのキャンペーンを促進しています。
インターナショナルコミュニケーションとネットワーク
センターは、貧困根絶の現場で活動する施設や個人のユヌス教授の既存インターナショナルネットワーク拡大を目指しています。ユヌス教授の活動に焦点を当てたソーシャルメディア(フェイスブック、ツイッター、YouTubeなど)の発展は、世界規模で彼のアイデアを広めていくでしょう。
ソーシャルビジネス
ユヌスセンターは、ソーシャルビジネスの規範を守っているベンチャーをサポートしたり、社会的課題を達成・拡大したりすることにより、現存するソーシャルビジネスや潜在的なソーシャルビジネスのためのソースセンターとして活動しています。
リサーチ&出版物
世界の出版社やメディアを通じてユヌス教授の貧困根絶に関するアイディアを広めることはセンターにおいて重要な活動の一つとなっています。
アカデミックプログラム
ユヌスセンターは、学術機関でソーシャルビジネスに焦点を当てたアカデミックプログラムの開発を支援しています。
ミュージアム/アーカイブ/ライブラリ
当センターは、ユヌス教授が受賞した賞や栄誉、その他の功績を保管し、1970年初頭からの彼の軌跡を表す資料館の創設を目指して近年活動しています。ユヌス教授のスピーチや活動を記した出版物などをビデオやオーディオテープにまとめたデジタルライブラリーも計画中です。