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グラミン・ヘルスケア・サービス

グラミン・ヘルスケア・サービス

 

マイクロクレジットの成功原理をヘルスケア分野に広げる

 

engミッションと概要

 

grameen-health partners1グラミン銀行とそれに続くマイクロクレジットプログラムは、ボトムアップ型のビジネスモデルが貧しい人が自ら貧困から脱却できることと、それが持続可能であることを証明しました。2006年のノーベル平和賞では、マイクロクレジットのインパクトが世界の何百万もの家族が貧困サイクルを1度と言わず何度も打ち破る力を持っていたことを、そしてそれが続くであろうことを評価しました。グラミンの借り手である多くの家族は、一世代が本格的な教育を受けることで、無学・無教育・貧困から解放されました。

 

グラミン・ヘルスケア(GH)の設立に際して、グラミンはマイクロクレジットの功績をヘルスケア分野に応用することを目指しました。GHのミッションは、ヘルスケアサービス分野において全ての人々、全市場において持続可能なベストプラクティスを確立することですが、特に貧しい人、最貧困の人々に焦点を当てています

 

貧しい人たちが、外からの援助に頼らないでも、GHにより自分たちのヘルスケアニーズを解決することで、自立できるようになります。このミッションは何百通りもの方法で、お互いに補完しながら発展していくことでしょう。

  • GH主に最も貧しい人々に効率よく持続可能な方法で高品質のヘルスケアを提供するために、世界中の成功事例から学び、改善し、ヘルスケアに関するインフラのボトムアップに貢献します。

  • GHこれらのゴールに到達するため、バングラデシュの様々な村で既に初期医療を提供をしているグラミンクリニックのネットワークを構築します。

 

グラミンが今取り組んでいること:グラミンKalyan、グラミンヘルスケアサービス、グラミンヘルスケアトラスト

 

グラミン銀行は、1993年にグラミンの借り手とバングラデシュの農村部の貧しい人向けに医療を提供するため、ヘルスケアプログラムを始めました。目的は、医療資格を有する人による質のよい医療サービス手の届く料金で提供することです。

 

病理研究や調剤、健康奉仕活動を行っているサテライトキャンプ、そして緊急サービスを備えているグラミンクリニック(GHs)などの医療インフラが設立され、今や51箇所にも広がっています。これらのヘルスクリニックはグラミンKalyanによって運営されています。

 

グラミンクリニックは、免許を所持している内科医によって運営され、この内科医は1~2人の医療補助員、研究室の技術者、6人のコミュニティによってサポートされています。今日、このネットワークは93%のコスト回収をしながら運営することができています。 

 

医療提供をしている範囲は、一般的にはクリニックから8~10キロメートル圏内に住む50,000人です。

 

2001年、グラミン銀行は白内障による失明の予防プロジェクトを立ち上げました。現在はグラミン・アイケア・ホスピタルとなり、ソーシャルビジネスとして運営されています。二つ目の眼科医院は、バングラデシュ南部のBarisalに設立され、2009年4月から操業を開始する予定です。

このほとんどのヘルスプログラムは、医療分野におけるベストプラクティスを極めるためにマイクロインシュアランス(新興国、開発途上国の低所得層、貧困層向けに提供される小額の保険)と同時に行うことです。このサービスには、健康サービスの利用推進とサービスが持続可能になるようコスト回収の改善する2つの目的があります。グラミンにおける重要な手法に、すべてのグラミン銀行債務者とその家族が、実り多い生活を送るための「16の決意」という約束があり、その内、半分以上は、直接的に借り手とその家族の健康と生活向上に関わることです。このように、貧しい人々の生活向上のサポートをするという学習組織とビジョンは、グラミン手法の重要な柱となっています。

 

グラミンクリニックネットワークとヘルスケア分野の影響の初期評価が前向きな一方で、保険担保、予防医学、ケアの質、持続可能性についての継続的改善は最優先課題になっています。また、のモデルの成功プロセスを見極め、強化することと、バングラデシュやその他の国へ広がる持続可能で反復可能なモデルを作る健康衛生における社会起業家の重要原則を促進することが重要です。

 

グラミンヘルスケアは、予見、予防、診断、早期発見に力を入れたグラミンヘルスケアマネジメントセンターにそれらを移管することを目的としたグラミンクリニックのネットワークを拡大・強化・アップグレードをし続けていきます。

 

 

以下は、設立の基礎となった重要な要素です:

  • 統合されたヘルスネットワーク(医科大学、訓練病院、1つかそれ以上の看護大学、産婦人科、小児科のような専門家とのネットワークを結んだ医療センター”HUB”)。一旦、持続可能性が証明されれば、段階的に構築することができるので、これらのクリニックはその要素になります。また、初期医療や専門医療の出張所として特にフォーカスされた様々な地域にてケアを提供したり、農村部にある地域クリニックやモバイルクリニックは、訪問医療を提供します。これらのクリニックは、一旦持続可能なモデルであることが証明されれば、段階的に構築することができるので、医療ネットワークのモジュールとなります。また、ヘルスケアシステムのすべての段階において、情報通信技術により、それぞれがリンクし、改善されていくことでしょう。

  • グラミンは、グラミンクリニックをグラミンヘルスケアマネジメントセンターに変える計画をしています。それは、特に低収入家族にとってコストがかかる治療よりも、治療だけでなく、発見、予防、診断、早期発見に特化しているセンターです。グラミンクリニックは、グラミンのメンバーだけではなく、全世帯を対象にする予定になっています。主には、子供、思春期の女性、母親である。グラミンヘルスケアマネジメントセンターの主な目標は、管轄区域内における未熟児と母親の死亡率を劇的に下げることです。

  • グラミンヘルスケアは、世界クラスの医療診断企業と、乳房腫瘤の初期診断と妊婦に関連する問題に対処するためのシンプルなハンディ診断装置を開発しています。

グラミンヘルスケア内には、この機械を使うことで、村の中で若い女性が起業家になることを促進するシステムを作る予定です。女性たちは、家々を周り、乳がんの発見、胎児の着床異常、そのほかの問題発見をし、簡易なイメージデバイスで検出する方法を教え、機械を販売します。また、この社会起業家らは、近くに位置するグラミンヘルスケアマネジメントセンターや市の専門医にも連絡・相談ができるようになります。

 

  • 情報アーキテクチャー(電子医療カルテ、遠隔医療、意志決定サポート、ピンポイントケアのための内科医・看護士・技術者を支援するITツール)。この情報アーキテクチャーは、グラミン銀行とその借り手が行っているような週の定期ミーティングのように設計された衛生訓練や教育機会を含む、公認の衛生教育を取り入れる予定です。また、最近では、患者データシステムの開発などを含むグラミンクリニックの機能をアップグレードするためにいくつかのパートナー組織と共同作業をしています。

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    このプロジェクトは、貧しい人たちが医療を理解をし、彼ら自身と地域の医療提供者からの状況をリポートバックすることに焦点を当てています。GHは、先進地域とはおそらく異なった貧困者のニーズに焦点を絞っていますが、その解決策は先進地域でも有益なものになることでしょう。主なニーズを集めて優先順位をつけたり、ベストプラクティスを広めるたりするのに、特定疾患や他の患者組織の利用者により生み出されたコンテンツが役立つでしょう。


  •  どの人も自分のケアのために部分で何らかを支払っているが、支払い能力がないからといってサービスが受けられない、ということはありません。サービスの価値と持続可能性や患者とサービス提供者の権利・自尊心を確立するために、支払いはサービスの重要なポイントです。サービスを受けた時点で支払えない人は、将来支払いを約束するように求められます。収入レベルによって、支払いスキームが設定されることになるでしょう。

 

統合されたヘルスネットワーク

 

バングラデシュの新しいグラミン・メディカルカレッジと大学病院は、プロジェクトの重要な柱になるでしょう。この大学と大学病院は、どの社会的階層の人々であっても可能な限り患者にとって一番よい処置を行い、国内で最も先進的な医療機関の一つとなります。さらに、強力なリサーチと各種研修も、このメディカルカレッジと大学病院のシステムの一部となることでしょう。

 

 グラミンは、これらの関連機関を建設するため、広大な土地を確保しようとしており、また、いくつかの世界レベルの病院との提携を交渉している最中です。

 

母子ヘルスケア・インスティテュート(The Mother and Child Health Care Institute)は、主に母親とその子供(5歳まで)を対象としています。サービスは出生前ケア、産婦人科、小児科です。この機関は貧血、子供の栄養失調にも対応しており、適切な時期に適切なワクチンを打てることも保障しています。自宅訪問が不可能であっても、E-healthや地域のグラミンヘルスケアマネジメントセンターが継続的に母子のケアを行います。全体としては、グラミンヘルスケアは子ども・思春期の女性・母親に焦点を当てています。

 

看護大学(Nursing Colleges)は、農村部のエリアの若い女性特にグラミン銀行の借り手の娘)を訓練したり、エンパワーをする別の方法で、グラミンヘルスケアは、ダッカとチッタゴンに2つの看護大学の設立を計画しています。グラミン銀行は、看護大学で若い女性たちが教育を受けられるようにするため、教育ローンを提供します。大学では、学士と看護におけるディプロマの両コースが設けられる予定です。一度、訓練を受けて資格をとると、看護士はプロとして地方でも国際的にも活躍できるようになります。その収入で教育ローンが返済し、家族にも仕送りをすることで、国や世界経済の両方に貢献できるようになります。病院や診療所は、世界的な研究機関が研究する関連分野に、密に協力をします。

 

技術大学は、医療機器ではグラミンのメディカルシステムに属しているものだけでなく、それに超えて整備されるこのプロジェクトの一環として設立されます。

 

 

情報通信技術

 

GHは、発展途上国において持続可能なヘルスケアの提供のため、バイオバンクの設立、携帯電話やインターネットでの診断・治療、意思決定サポート、結果レポート、電子カルテの導入など を含めた、ベストプラクティスを見極め、広めています。また、農村部から街の医療センターに重要な医療情報を送れるような国を網羅する携帯電話を使ったネットワークを構築しようとしており、e-へルスケアの多大な潜在能力を利用しようと日々努力をしています。


ヘルスケアネットワークが設立されたように、今、情報技術の問題に取り組むことで、
GHはより簡単に情報を共有したり、より良い治療を提供することがより簡単になる、高度な電子ネットワークを設けることができるようになります。このデータベースセンターも、大いに調査スピードを早めていきます。そして、GHは、持続可能な世界トップクラスの技術力と教育を遠隔地に届けるられるようにし、より専門的で費用対効果のよい治療のために、中心的な病院やより研究所にリンクさせられるようにします。

 

 

健康とソーシャルビジネスの関連性

 

グラミンは、バングラデシュの貧困層に健康に結びついたソーシャルビジネスを提供するため、ダノン、ヴェオリアやBASFのようなグローバル企業とコラボレーションしています。グラミン・ダノンは、農村部の人々・特に特に子どもや妊娠中・授乳中の母親の栄養に関する問題解決に、栄養を添加したヨーグルト、BASF・グラミンは何種類かの微量栄養素個袋の生産、販売を通して、栄養失調の問題に取り組んでいます。

 

さらに、BASF・グラミンは、バングラデシュで蚊から伝染するマラリアやデング熱のような病気を根絶するため、長期間使える蚊帳を製造・販売する予定です。

 

グラミン・ヴェオリアは、バングラデシュの農村部でヒ素に汚染されている地域に、新鮮な飲料水を提供するソーシャルビジネスを展開しています。最初の浄化装置はすでに稼働しており、さらにいくつかの工場がバングラデシュ中に建設される予定です。

 

このように、農村部の人々に健康をもたらす多くのソーシャルビジネスが展開しています。

 

 

構造とガバナンス

 

グラミンヘルスケアは、経験や専門家ネットワーク、世界に広がるパートナー機関の報告書のアドバイスに基づいたソーシャルビジネスになることでしょう。ガバナンスにおいて重要なことは、社会的目標を達成し、患者にとっての利益が尊重されることを保証するために、バングラデシュのリーダーや患者志向の組織から高い倫理観を持った世界のリーダーを含んだ顧問委員会です。