なぜインフレによる影響の補填はされない?

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誰かが10万ドルをソーシャルビジネスに投資したとします。その場合、5年後、10年後、あるいは20年後に10万ドルが返ってくるわけですが、それ以上の配当は受けられません。これは、不公平ではないのでしょうか?その人は少なくとも10万ドルの真に値する配当を受けるべきです。インフレ分を補填してもよいと思いませんか?そうでなければ、投資に対していくらか利益を上乗せして欲しいものです。


おっしゃるとおりです。ソーシャルビジネスの世界では、投資家は投資した金額と全く同額の配当を受けることになり、インフレの影響を調整したり、その他の埋め合わせをしたり、ということはありません。

その理由としては、まず一つ目に、ソーシャルビジネスにおいては、利益のように「個人的な金銭の恩恵」を得るという考え方をしていません。

二つ目に、金銭的な犠牲に対する「補填」という概念を排除したいと思っています。一度「補填」という水門を開けてしまうと、インフレの調整、機会損失の調整、現在価値の調整、リスクの調整といった多くの「補填」を扱わなければならなくなるでしょうし、扱う項目は多くなる一方できりがなくなってしまうでしょう。

もしたった一つ、一人の補填を認めてしまうと、その他の補填を他の方々に認めなければならなくなるでしょう。最善の方法は、あらゆるタイプの補填という概念から、頭を切り離すことなのです。

 

リターンに関して、ソーシャルビジネスの原則は以下の二つです。

a)利益という観点において金銭的な見返りはない(投資額を越えた金額が返ってくることはない)

b)損失においては補償はない(投資した実質の価値において)

 

ソーシャルビジネスは人々の「無私無欲」に基づいて成り立っています。無私無欲(利己的な気持ちがない)状態では、人々の暮らし、生活に対するインパクトという視点に基づいた成果にコミットするので、それに伴う小さな金銭的「犠牲」について気を揉んだりしません。無私無欲は、自己利益を放棄を意味します。

 

色々な金銭的補填を受けられないことによって、金銭的な面では個人的な犠牲を払うかもしれませんが、精神的な報酬を得ることができます。これがまさにソーシャルインベストメントの真髄です。満たされたこの喜びは社会的な問題解決のゴールに達したときさらに大きくなります。なぜならば、自分自身がこれらの「特別な」投資に関わっていたからです。これこそが正に投資に対する究極の報酬です。金銭的な報酬は受けない代わりに、自分の投資の成果(投資したことによって投資先や社会の状況が好転したというような成果)から得られる喜び、という報酬を得ることができるのです。

それでは、もしこの金銭的な補填を、精神的報酬では補えないという人がいたら、その人はそれでもソーシャルビジネスの領域にいることができるでしょうか。

もちろん、できます。とても簡単にできるでしょう。自分の投資を2つに分ければよいのです。1つは株式にして、ソーシャルビジネスにまつわるすべての条件(無利益、無補填)を受け入れることでしょう。もう1つは、全く大きな利益は得られないけれども、株式投資の際に起こる財政的なリスクをすべて十分にカバーできる固定利率で組んだローンという形で投資をするのもありかもしれません。

このような場合、この投資家は全面的なソーシャルビジネスのサポーターとみなされるでしょうが、彼の持株の割合は以前よりも少なくなるでしょう。

 また、このローンは、利益を最大化しようとする金貸しからソーシャルビジネスに貸し付けるローンとは違った類のものでしょう。利益を最大化しようとする金貸しは、ソーシャルビジネスが社会問題の解決を目的にしているビジネスであるということは何も考慮せずに、お金を貸し付けています。ソーシャルビジネスは利益を多く生む投資の機会であると捉えて貸し付けをしていることになるのです。

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